持続可能な社会の実現にむけて|Way towards sustainable society
現在の環境問題は、自然と人間活動とのバランスの問題です。自然と人間が共生し、持続的に発展していける社会を実現する。これは、急速な経済成長とそれに伴う環境破壊の問題をすでに経験した日本のような先進国にとっても、まさにこれから発展を迎えようとしているブータンのような開発途上国にとっても、共通した目標となっています。
わたしたち、日本環境教育フォーラム(JEEF)とブータン王国とのかかわりは、2005年、環境教育の研修事業から始まりました。ブータン現地カウンターパートである環境NGO、王立自然保護協会(RSPN)と共に、単に自然環境を保護するのみならず、その地域に暮らす人々が、自然と協調しながら地域社会を発展させていけるような取り組みを模索してきました。現在では主に、「地域に根差した持続可能な観光開発(Community Based Sustainable Tourism: CBST)」というアプローチを通じ、豊かな自然と伝統的な暮らしが息づくブータンの各地域で、持続可能な社会の実現を目指しています。
当サイトについて |About us
JEEF当サイトは、ブータン事業を担当する、JEEFの国際事業部スタッフが運営しています。このサイトを、日本の市民社会の皆さんと共に、ブータンという国を通じて、持続可能な社会の在り方を“楽しく”、“ワイワイと”、共に探り、学びあっていくような、プラットフォームの場にしていきたいと考えています。
ブータン事業概要|About our projects in Bhutan
JEEFがブータンで本格的に事業を開始したのは、2011年。JICA草の根パートナー型事業として、『ブータン王国ポブジカにおける地域に根ざした持続可能な観光の開発プロジェクト』を、現地カウンターパートのRSPNと共に、ブータン西部のウォンディポダン県ポプジカ地域にて、3年6か月間実施しました。もともとポプジカ地域のオグロヅル保護活動からスタートした環境NGOのRSPNは、観光による乱開発が迫るポプジカ地域で、オグロヅルと、地域に暮らす人々の伝統的な生活を守るべく、JICA/JEEFの協力を得て、本事業に着手したのです。具体的には、農家ホームステイの拡大、地元の自然・文化を解説できるローカルガイドの育成、お土産品開発を支援すると共に、地元の人たちが自立して観光の手配やプロモーションを行えるような仕組みづくりを行いました。
♦ポプジカCBSTプロモーション用のWEBサイト(英語) |
ポプジカ地域での事業の成功を受け、さらにブータン全土にCBST=地域に根差した持続可能な観光開発事業を拡大すべく、JEEFとRSPNは2015年、新たな3年間のJICA草の根技術協力事業として、『ブータン王国ハ地域における地域に根ざした持続可能な観光開発と人材育成プロジェクト』を開始しました。
本プロジェクトの具体的な事業項目は、次の通りになります。
- 農家ホームステイの開発
- ローカルガイドの育成
- 地元の特産物を活用したお土産の開発
- 地域における観光素材の開発
- 地元の人々と観光客の交流の場となるコミュニティーセンター(日本でいう「道の駅」のような施設)の開発
また、ハ地域においてCBSTの仕組みを構築するのみならず、開発が遅れている東部や南部を中心に、ブータン全土にCBSTの概念を広めることも、今回の事業の大きな目標のひとつとなっています。東部・南部から各県の担当者を招いてポプジカやハの事例を紹介し、最終的には自身でCBSTの計画書を作成してもらうのが狙いです。
また、ポプジカとハにおいて、CBST開発により環境・社会的負荷が不用意に高まっていないかをチェックする「キャリング・キャパシティ調査」を実施することも、今回新たな試みとして取り入れています。
・日本環境教育フォーラムウェブサイト
ブータン王国ハ地域における地域に根ざした持続可能な観光開発プロジェクト